週刊朝日掲載の木村りんご農園記事

「生態系農法」という言葉を教えてくれたのは、青森県津軽地方でりんご農家を営む木村秋則さん。今から25年ほど前、当時20歳代後半だった木村さんは、それまで続けてきた農薬や化学肥料の使用をやめた。
すると、その決意を試すかのように害虫や疫病に襲われた。畑から果実はもちろん、花さえ姿を消してしまった。
それでも木村さんは毎日、1本1本の樹に話しかけては耳を澄ませ、畑で汗を流した。
自然農法に変えて8年目、リンゴは帰ってきた。最初の年は小さな実がふたつだけ。翌年には出荷できるほど豊かに実った。
沈黙の7年。それは、自然本来の力をリンゴが取り戻すための長い眠りだったと木村さんは言う。
木村さんの言う生態系農法とは、リンゴの原種が自生していた環境に学ぶというものだった。
たとえばこんなこと。木村さんは夏の間、常識に反して畑の除草をしない。地肌をむきだしにすると土壌の温度が上昇し、根が病気に感染しやすくなるからだ。そして涼しくなると一気に草を刈る。すると、リンゴは秋の到来に気づき、結実に生命力を集中させる。それは、除草剤を使わないという意地が導いた逆転の発想。
「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」という諺が西洋にある。リンゴは食物繊維やビタミンC、ミネラル、カリュウムが豊富だ。最新の研究によると、リンゴポリフェノールには脂肪蓄積を抑制する効果があるという。
リンゴの原産地は中央アジアの高地。原始のリンゴはかなり小粒で、渋みと酸味が強かったらしい。幾星霜とあまたの手のぬくもりを経て、甘い蜜の味をしたたらせるようになったリンゴ。今まさに、その美しい色彩を赤く燃え上がらせている。
木村秋則さんのりんご園写真
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by toshokan3 | 2005-01-23 01:45 | 自然食品館


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